バクテリアセラピーセミナーレポート

#3 若林健史先生

ロ内フローラや"ロ"と
全身の健康との可能性

~健康長寿社会の実現を目指して
ロ内環境の視点から~

ロ内フローラというものが、全身の健康に影響して
病気などを引き起こす原因となっている。

人のロの中では、非常に多種多様な菌がめまぐるしく生存競争を行っています。善玉と呼ばれる「ロ内常在菌」と、二大ヒールと言われているむし歯菌や歯周病菌といった一般的に「悪玉菌」と呼ばれる菌が存在し、これらの菌がお花畑のように群れをつくっていることから「ロ内フローラ」という風に言われております。
ロ内フローラは全身の健康に影響して、誤嚥性肺炎などの病気を引き起こす原因となっています。
ロ内フローラを乱す原因
口内フローラが乱れ蔓延した悪玉菌は全身に巡り、
いろいろな病気をつくっていく。

さらに最近では、アルツハイマーの患者さんの脳内からも歯周病菌である
「ポルフイロモナス・ジンジバリス」が発見されたことが明らかになっています。

メタボに次ぐ、歯周病に関連した全身疾患の総称
「ペリオドンタルシンドローム」

今では誰もが知っているメタポリックシンドロームという言葉のように、歯科でもそういった言葉があったほうがいいのではないかなと考えました。「ペリオドンタルシンドローム」という言葉です。「ペリオ」というのは「周りの」ということ、「ドンタル」というのは「歯」のことです。歯周病に関連した、全身疾患の総称のことをいいます。
口腔ケアは命を救うということ。

ロ内フローラを良好にして、
ヒト本来の強さを取り戻そう。

ロ内フローラを良好にすることが重要だということです。ただそれは、「薬で元気になろう」という対症療法的なものではありません。「ヒトに有益な菌(プロバイオティクス)を取り入れることで、ヒト本来の強さを取り戻そう」ということ。「バクテリアセラビー」というものです。
ロ内フローラを良好にする「バクテリアセラピー」の三大特徴

そんなバクテリアセラピーに活用される善玉菌として、
ロ内フローラを良好にするスーパー乳酸菌と言われる
「ロイテリ菌」が世界的に注目されています。

講師プロフィール
若林健史|Kenji Wakabayashi
歯科医師歯周病専門医若林歯科医院院長
1982年日本大学松戸歯学部卒業。
1989年東京都渋谷区代官山にて開業。
2014年医院を代官山から恵比寿南に移転。
2016年東京都港区南青山にてオーラルケアクリニック青山開院。
2017年日本大学客員教授。
日本歯周病学会理事・専門医・指導医、
日本臨床歯周病学会認定医・指導医・歯周インプラント指導医、米国
歯周病学会会員等を務める。歯周病専門医・指導医として歯科医師向けや一般市民向けの講演を多数行っている。