2018.10.04

ロイテリ菌と病気

ロイテリ菌の効果・効能と副作用がない理由

ロイテリ菌の効果・効能と副作用がない理由

最近、テレビや雑誌で取り上げられ、注目を集める「ロイテリ菌」は、1980年代に発見されたヒト由来の乳酸菌です。

ロイテリ菌には、体内の細菌バランスを整えて、私たちの健康をサポートする働きがあります。

しかし、他の乳酸菌とどこが違うのか、身体にどんな影響を与えるのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ロイテリ菌の効果・効能、さらには気になる副作用について解説していきます。

1.ロイテリ菌とは?

ロイテリ菌とは、1980年代にアンデスの山中で暮らすペルー人女性の母乳から発見された、ヒト由来の乳酸菌で、正式名称をラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)と言います。

ロイテリ菌は母乳だけでなく、口腔内や胃腸などにも存在する善玉菌です。

身体に良いとされる善玉菌は数多くありますが、そのほとんどが外から摂取しても生きたまま腸に届かず、体外へ排出されて腸内に定着しづらいのが問題でした。

それに対してロイテリ菌は、元来ヒトの体内に存在している菌なので、胃酸や胆汁にも強く、他の善玉菌に比べると生命力が強く、消化管にも定着しやすいのが特徴です。

生きて腸まで届き「ロイテリン」という抗菌物質を産出して、ピロリ菌や歯周病菌、口臭の原因菌などの悪玉菌を抑制すると報告されています。

悪玉菌の働きを抑える一方で、善玉菌に対しては、攻撃を仕掛けることはありません。それどころか、ビフィズス菌などの有益な菌とはタッグを組み、腸内環境を守っていきます。

2.ロイテリ菌の効果・効能

ロイテリ菌の効能・効果の研究が本格的に始まったのは、90年代からです。世界でトップクラスの医科大学である「カロリンスカ研究所」をはじめ、さまざまな研究機関で.ロイテリ菌の臨床実験が実施され、多くの論文が発表されています。

現在、優れた善玉菌を体内に取り入れて病気を予防する「バクテリアテラピー」が、世界各国で採用されています。その中でも、人体に有益な影響を与えるものとして推奨されているのがロイテリ菌なのです。

ロイテリ菌に期待される主な効果・効能について紹介します。

効能①.歯周病、虫歯の予防
効能②.ピロリ菌の抑制
効能③.免疫力の強化
効能④.乳児疝痛の緩和

効能①.歯周病、虫歯の予防

歯周病菌や虫歯菌の増殖を予防し、歯周病や虫歯になりにくい口内環境を作ります。

予防歯科先進国のスウェーデンでは、早くからロイテリ菌を用いたバクテリアテラピーを取り入れて、虫歯や歯周病の予防に役立てきました。

効能②.ピロリ菌の抑制

ロイテリ菌が作り出すロイテリンと呼ばれる抗菌物質には、ピロリ菌を除菌する働きがあります。

胃酸を抑える薬とロイテリ菌を組み合わせた治療を行った結果、ロイテリ菌を併用した患者の60%がピロリ菌の感染を抑制されました。

効能③.免疫力の強化

ヒトの免疫細胞の約60%は小腸に生息していると言われています。ロイテリ菌は生きたまま腸まで届き、免疫細胞に働きかけて、免疫機能をコントロールします。

免疫力を高めることで、病気になりにくい身体を作ることができるでしょう。

効能④.赤ちゃんの夜泣きの緩和

赤ちゃんの夜泣きの原因の一つに、乳児特有の激しい腹痛「疝痛(せんつう)」が挙げられます。

疝痛の症状がある乳児に一定量のロイテリ菌を与えたところ、腸内細菌のバランスが整い、夜泣き時間が減少することがわかりました。

生後2〜16週の乳児疝痛と診断された乳児46名を対象として行われ、ロイテリ菌を摂取した乳幼児は、試験開始日の平均泣き時間が370分だったのに対し、21日目には35分にまで短縮されました。(偽薬を摂取した乳児は300分⇒90分に減少。)
※46名の乳児に対して実験を行った結果(ロイテリ菌摂取25名・偽薬摂取21名)

3.ロイテリ菌に副作用がない理由

ロイテリ菌に副作用がない理由は、薬ではなく、天然のヒト由来の乳酸菌だからです。そもそも人間の体内に生息してきた善玉菌なので、副作用の心配はなく、子どもも摂取することができます。

免疫が抑制されたHIV感染者を対象に、ロイテリ菌を摂ることによって悪い影響がないかを実験したところ、21日間摂取し続けても副作用の兆候は見られなかったことから、安全性の高さが示唆されています。

さらに、乳児から高齢者に至るまで幅広い年齢層で、通常の分量よりも多く摂取した場合も、有害反応は報告されていません。

性別や年代を問わず、健康維持に役立てることができるのが、ロイテリ菌の大きなメリットと言えるでしょう。

4.まとめ

ロイテリ菌はヒト由来であり、ヒトと相性のよい乳酸菌です。もともと人体に存在している善玉菌なので、副作用の心配がなく、安全に取り入れることができます。

ロイテリ菌には、生きたまま腸まで届き、体内にいる常在菌のバランスを整える働きがあります。

ロイテリ菌を取り入れることで、歯周病や虫歯の予防、ピロリ菌の抑制、免疫の強化などさまざまな効果・効能が期待できるでしょう。

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