口内フローラを整える/腸内フローラを整える

口内フローラ
を整える

口内の健康は、悪玉菌の
10倍もの善玉菌によって守られている

標準的な腸内の菌バランスは「善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1」といわれていますが、健康な人の口内の菌バランスは「善玉菌10:悪玉菌1」といわれています。
カラダの入り口であり、外界と直接接している口は、多様な性質の細菌がすみつく非常に過酷な環境です。口の中の悪玉菌の代表が、歯周病菌とむし歯菌。これら悪玉菌に対抗するために、口の中には数多くの善玉菌が存在しています。口に多く存在する善玉菌が悪玉菌の侵入や定着を防ぐことで、健康な状態は維持されているのです。

歯周病は万病の元

口内フローラが崩れると、歯周病が引き起こされ、細菌由来の病原因子や炎症の場で作られる物質(サイトカイン)が血管を介して全身に巡ります。
結果として、糖尿病や動脈硬化、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞、早産・低体重児出産、骨粗鬆症等の原因になると報告されています。歯周病は慢性疾患のため治療しない限りその状態が持続します。カラダの入り口で起こるお口のトラブルは時として死に至る疾患の原因にもなりうるのです。

肺炎と歯周病

歯周病は肺炎とも深い関係があります。肺炎は日本人の死因の第五位にあたる病気ですが、その中で高齢者が約9割以上も占めており、特に誤嚥性ごえんせい 肺炎が危険視されています。
高齢者をはじめ寝たきりの患者は、口内の清潔が十分に保たれづらいこともあり、口内に存在している肺炎の原因となる細菌が増殖しやすく、咳反射が弱まり嚥下機能が低下してしまいます。
その結果、口内の細菌が気管から肺へと吸引され、誤嚥性肺炎を発症するきっかけとなるのです。

内フローラを
整える
オーラルケア」

歯を磨く

口内フローラを整えるために、毎日の歯磨きがとても大切です。歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使って歯を磨くことで、口の中にすみついた歯周病やむし歯、口臭などの原因になる悪玉菌を口外にかき出します。歯磨きをしないで放っておくと、悪玉菌はどんどん増殖してしまいます。

口内をクリーニングする

定期的に歯科医へ行き、口内のクリーニングをしてもらいましょう。口内には、歯磨きだけではどうしても届かない部分があり、残った汚れが悪玉菌の温床となってしまいます。自力で取り除けない汚れには、専門家によるケアが必要です。欧米では、クリーニングのために歯科医に通うことが、あたり前の習慣になっています。

ロイテリ菌を摂る

しかし、歯磨きや口内のクリーニングには、悪玉菌だけでなく、口の中の善玉菌まで減らしてしまう可能性があります。ロイテリ菌には、悪玉菌を抑え、相対的に善玉菌を増加させることで、体内の菌バランスをコントロールする働きがあります。歯磨き、口内のクリーニングに加えて、ロイテリ菌を摂取することで、歯周病やむし歯、口臭の予防効果はさらに高まります。

腸内フローラ
を整える

腸は第二の脳

腸には、神経がくまなく張り巡らされており、脳からの指令がなくても動くことができます。腸神経は、脳とは独立したネットワークで他の消化器官と協調して働き、ほかの臓器にも直接指令を出しています。
そのため腸は第二の脳とも呼ばれています。 この一方で、脳からの指令も受けており、脳がストレスを感じると腸の働きを乱してしまいます。

腸から有害物質が全身へ

ストレス、食生活の乱れ、運動不足、過度の清潔志向、抗生物質を使った治療、そして加齢等によって腸内フローラが乱れると、腸内の悪玉菌が優位になります。
悪玉菌はタンパク質を腐敗させ、有害物質を発生させることに...有害物質は腸内に留まることが出来なくなると腸壁から血液に流れ出て、カラダのあちこちに影響を及ぼします。

腸内フローラと体内時計

近年では、腸内フローラが乱れると体内時計が狂ってくる、という研究も進められています。体内時計は体温、血圧やホルモンなどのリズムを整えており、乱れると生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)等のリスクが高まることも問題視されています。体内時計の乱れが睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌を妨げることから、腸内フローラの状態は睡眠の質にも影響を及ぼすのではないかとも言われています。

内フローラを
整える食生活」

善玉菌を含む、善玉菌のエサになる食品 Ingen Yogurt Miso Natto

善玉菌を含む食材を摂る
(プロバイオティクス)

プロバイオティクスとは腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物と定義されています。プロバイオティクスとして代表的なものがビフィズス菌などの乳酸菌です。ただし、すべての乳酸菌がプロバイオティクスといえるわけではありません。

プロバイオティクスの条件

  • 安全性が保証されている
  • もともと宿主の腸内フローラの一員である
  • 胃液、胆汁などに耐えて生きたまま腸内に到達できること
  • 下部消化管(小腸下部や大腸)で増殖可能なこと
  • 宿主に対して明らかな有用効果を発揮できること
  • 食品などの形態で有効な菌数が維持できること
  • 安価かつ容易に取り扱えること

以上のようなを満たす菌だけがプロバイオティクスと認められています。また、納豆、味噌なども植物性乳酸菌といい、酸に強く腸まで届くプロバイオティクス食品です。

おすすめの食材
優れた善玉菌を含んだヨーグルト・納豆・味噌・乳酸菌飲料・塩麹・甘酒・ぬか漬け・チーズ・ピクルス・キムチ

善玉菌のエサになる食材を摂る
(プレバイオティクス)

プレバイオティクスとはプロバイオティクスの働きを助ける物質のことで、以下のような性質を持ちます。

プレバイオティクスの条件

  • 消化管上部で分解・吸収されないこと
  • 腸内に共生する有益な細菌の選択的な基質であり、それらの増殖を促進、または代謝を活性化できること
  • 腸内環境を整え、人の健康の増進維持に役立つこと
  • 宿主の健康に有益な全身的な効果を誘導すること

腸内で消化されにくい食物繊維やオリゴ糖などがその代表的なもので、善玉菌の大好物です。
しっかり摂ることで腸内環境の改善につながります。

おすすめの食材
大根・にんじん・山芋・サツマイモ・海藻類・きのこ類・大麦・こんにゃく・ごぼう・アスパラガス・玉ねぎ・とうもろこし・バナナ・リンコ・大豆・はちみつ

サプリメントで補う

善玉菌や善玉菌のエサを食材で摂りきれない場合、安全性の高いサプリメントで補うこともできます。多種多様な乳酸菌のサプリメントがありますが、体内への定着がよい菌を選ぶことで菌質改善につながり、効率よく健康維持を目指せます。